なぜ、これほどまでに粗雑なデマやディープフェイクAI動画が後を絶たないのか。その背景には、プラットフォームのアルゴリズムと「アンダーグラウンド広告エコノミー」の共謀関係が存在します。
デマ・捏造の理由の根底にあるのは、インプレッション至上主義です。Xなどのアルゴリズムは、センセーショナルで反論やリプライが殺到するコンテンツを「エンゲージメントが高い投稿」と判定し、タイムラインのおすすめ欄へと優先的に押し上げます。閲覧者が「これは偽物だ」「通報した」と書き込むこと自体が投稿の評価を高め、拡散を後押ししてしまうという皮肉な構造が定着しています。
さらに見落とされがちな盲点として、個人情報流出の危険性が挙げられます。「動画を見たい」という好奇心から不審なリンクへアクセスした際、端末のIPアドレス、ブラウザ情報、さらにはSNSのアカウント情報が収集され、名簿業者やダークウェブ上のリストへと転売されるケースが頻発しています。「タダで動画を見ようとした代償」として、自身のプライバシーが永久に危険に晒される事態を認識しなければなりません。