小学生の頃、道端のハルジオンを摘もうとして「折ったら貧乏になるよ!」「家に持ち帰るとお父さんの給料が下がる」などと友達から注意された経験を持つ人は少なくありません。この貧乏草の都市伝説の真相はどこにあるのでしょうか。
結論から言えば、科学的・論理的な因果関係は一切存在しません。しかし、民俗学および教育心理学の視点から分析すると、この噂が全国規模で流布した背景には明確な「大人の教育的意図」と「言霊信仰」が働いていたことが分かります。
当時、ハルジオンはどこにでも生えているため、子どもたちが遊び半分で茎を折ったり、花壇を荒らしたりすることが日常茶飯事でした。また、ハルジオンの茎を折ると独特の青臭いヤニのような樹液が出て、手や衣服を汚してしまうトラブルも頻発していました。そこで親や地域の大人が、「折ってはいけない」「家に持ち込んではいけない」と子どもを躾けるための口実として、「折ると貧乏になる」という分かりやすいタブー(禁止令)を言い聞かせたのが発端とされています。
「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」「霊柩車を見たら親指を隠す」といった日本の伝承と同様、子どもに対する行動抑制のツールとして機能していたわけです。