違法取引の温床となっているネット空間に対し、警察当局は監視体制を大幅に刷新しています。警察庁サイバー特別捜査隊を中心に、全国の都道府県警察が連携して24時間体制の警察のサイバーパトロールを実施しており、特定の隠語や取引パターンを自動検知するAI解析システムの配備が完了しています。掲示板への書き込みはもちろん、閲覧履歴やIPアドレスの追跡はリアルタイムで行われています。
特に注視すべきはおとり捜査の実態です。麻薬特例法に基づく「コントロールド・デリバリー(監視付き引き渡し)」や、捜査員が身分を隠して売買の現場を押さえる捜査手法が厳密な法的手続きのもとで日常的に展開されています。掲示板上で「優良売人」「即対応」などとアピールしている相手が、実際には警察の内偵捜査用アカウントであったというネット掲示板の摘発事例は数多く報告されています。
取引の過程で持ちかけられるテレグラム誘導の危険性も極めて深刻です。密売グループは「掲示板は削除されるからテレグラムへ移行しよう」と誘い、秘密度の高い通信を装います。しかし、捜査機関側も高度なサイバー鑑識技術を有しており、端末押収時のデジタルフォレンジックによって過去の送受信履歴やアカウント紐付け情報は全て復元されます。アプリを切り替えたところで逃げ道にはなりません。