2026年5月の誕生日で69歳を迎えるかたせ梨乃(本名:杉本典子)。彼女の原点を振り返ると、当時の芸能界では極めて異色のバックボーンを持っていたことが分かります。東京都豊島区に生まれ、小学校から高校までカトリック系の名門・雙葉学園で学んだ生粋のお嬢様でした。厳格な家庭環境で育ちながらも、英語力を活かすために獨協大学外国語学部英語学科へと進学します。
転機が訪れたのは大学在学中の1978年でした。カメラの前に立つ楽しさに目覚めた彼女は、当時新人タレントの登竜門として絶大な影響力を持っていた「第4代クラリオンガール」に選出されます。アグネス・ラムの登場以降、健康的な水着美女が世間を席巻していた時代において、身長168cmという恵まれた体躯と日本人離れしたプロポーション、そして知的な眼差しを併せ持つ彼女の存在は鮮烈そのものでした。
深夜番組『11PM』のカバーガールやテレビドラマへの出演を皮切りに、瞬く間にブラウン管の人気者となったかたせ梨乃。しかし、本人は単なるグラビアアイドル枠に収まるつもりは毛頭ありませんでした。当時のインタビュー手記でも「自分の足で立ち、長く演じ続けられる表現者になりたい」と語っていた通り、彼女は20代後半から本格的な女優への脱皮を図り、映画界の扉を力強く叩くことになります。