SNSやネット掲示板、消費生活センターの相談窓口を調査すると、冷蔵庫処分を巡る深刻なトラブル報告が今なお後を絶ちません。特にトラブルの温床となっているのが、街中をスピーカーで流しながら巡回するトラックや、「不用品なんでも格安回収」を謳うWEB広告の無許可業者です。
独立行政法人国民生活センターや関係省庁の広報資料によると、不用品回収業者トラブル評判における典型的な手口は極めて酷似しています。「無料引き取りとアナウンスしていたので呼び止めたところ、車に冷蔵庫を載せた直後に『積み込み作業代やフロンガス回収費は別料金』と凄まれ、威圧的な態度で3万円〜5万円の現金を要求された」という相談が後を絶ちません。
現場の実態を裏付ける証言として、都内の消費生活相談員は次のように指摘します。
「一般家庭から排出される不用品をトラック等で運搬・処分するには、自治体から交付された『一般廃棄物収集運搬業の許可』が必要です。しかし、ネットやチラシで大々的に集客している業者の多くは、この許可を持たない無認可事業者、あるいは工業機械類を扱う『産業廃棄物許可』や中古売買の『古物商許可』を都合よく誤認させて営業しています。密閉された空間で高額料金を迫られると、高齢者や一人暮らしの女性は恐怖から断れず支払ってしまうケースが極めて多いのです」
さらに恐ろしいのは、不当に回収された冷蔵庫が適切に解体されず、山林や空き地に不法投棄される二次被害です。不法投棄された冷蔵庫からフロンガスや有害物質が大気・土壌に流出すれば重大な環境汚染につながるだけでなく、残された製造番号や伝票から排出者である元の所有者が特定され、警察から事情聴取を受けるリスクさえゼロではありません。