アーロン・ジャッジの通算成績を俯瞰したとき、誰もが目を奪われるのは本塁打の量産スピードです。MLB公式データ(Statcast)によると、ジャッジは歴代最速となる955試合目で通算300本塁打に到達しました。これはラルフ・カイナー(1087試合)やマーク・マグワイア(1069試合)といった伝説的スラッガーたちの記録を100試合以上も更新する驚異的なハイペースでした。
2022年に62本塁打を放ってロジャー・マリスのア・リーグ記録を61年ぶりに更新した際、多くの評論家は「キャリアの頂点」と評しました。しかしジャッジはその予想を軽々と裏切り、2024年シーズンには打率.322、58本塁打、144打点、出塁率.458、長打率.701、OPS 1.159という神話的なスタッツを叩き出しました。得点創出力を示す「wRC+」は218に達し、これはストライキ短縮シーズンを除けば近代野球の右打者として史上最高峰の数値です。
巨額の契約に恥じないパフォーマンスを続けるジャッジの年俸推移も、メガスターの風格を物語っています。2022年オフ、ヤンキースと結んだ9年総額3億6000万ドル(年平均4000万ドル)の超大型契約は、当時の野手史上最高額でした。大契約を結んだ選手がプレッシャーや勤続疲労で失速するケースが後を絶たない中、ジャッジは契約後もMVP級の出力を維持し続けており、ニューヨークの地元紙『ニューヨーク・ポスト』は「球団史上、最もリスクが少なく価値の高かった投資」と絶賛しています。