新潟県内には数多くの寿司処が点在しますが、そのなかでも新潟県長岡市の寿司屋でおすすめとして真っ先に名前が挙がるのが大寿司です。多くの飲食店が価格改定を余儀なくされる現在、なぜこれほどまでに長岡大寿司の評判は揺るぎないものとして定着しているのでしょうか。その背景には、地方都市ならではの強固な仕入れネットワークと、職人の頑なな矜持が存在します。
寺泊港や出雲崎港など良質な漁港に近接する長岡という地の利を活かし、店主自らが毎朝その日の最良の個体を選別しています。市場の仲買人との長年の信頼関係によって、上質な本マグロ、南蛮エビ、旬の白身魚が優先的に厨房へ届く流通ルートが確立されています。常連客のひとりは「都内の高級店で一人前数万円を支払って食べる魚と比べても、鮮度と脂の乗りでまったく引けを取らない。これこそ地方の個人店が持つ最大の破壊力だ」と証言します。
さらに見逃せないのが「シャリ」への執念です。長岡近郊で収穫された極上米を用い、ネタの力強い旨味に負けない絶妙な炊き加減と酢の合わせを実現しています。単にネタが大きいだけの豪快寿司にとどまらず、口に入れた瞬間にほどけるシャリとの調和が計算し尽くされている点こそが、長岡大寿司の人気の理由として語り継がれる最大の要因です。