行為の最中に声が出てしまう最大の理由は、意志の力とは無関係に作動する自律神経の急激な変動にあります。強い刺激や興奮を感じると、交感神経が一気に優位となり、心拍数の増加とともに呼吸が浅く速くなります。このとき、体内に十分な酸素を取り込み、二酸化炭素を排出しようとする換気運動が活発化することで、声帯を通る空気の圧力が増し、自然と吐息や声となって漏れ出します。
さらに見逃せないのが、脳内で分泌されるエンドルフィンやドーパミンなどの神経伝達物質の働きです。これらは強力な鎮痛作用と多幸感をもたらし、大脳皮質の理性を司る領域(前頭前野)の活動を一時的に抑制します。思考によるコントロールが効かなくなる結果、刺激に対して身体がダイレクトに反応する快感反射が引き起こされ、喉の筋肉の緊張と弛緩が繰り返されることで独特のトーンが生み出されます。
つまり、あの声は「出そうとして出している」のではなく、過剰な刺激から生体を守り、呼吸リズムを維持するために身体が自動的に選択している極めて合理的な呼吸法の一種でもあるのです。