巨大な需要を誇る一方で、日本のAV産業の市場規模は大きな転換点を通過しました。かつて推定数千億円規模とも言われたパッケージ(DVD)主体のビジネスモデルは縮小し、現在はデジタル配信とライブ配信、ファンクラブ型課金へと収益の軸足が移っています。
業界に最も決定的な構造変化をもたらしたのが、2022年に施行されたいわゆる「AV新法(出演被害防止・救済法)」です。契約締結から撮影まで1か月、撮影完了から作品公開まで4か月の待機期間を義務付け、公表後一定期間の無条件契約解除を認めるこの法律は、当初制作現場に大きな混乱をもたらしました。
施行から時間が経過した現在、AV新法の影響と変化は業界の健全化という形で定着を見せています。違法なスカウトの排除、撮影現場における厳格な安全管理体制、出演者の事前同意の徹底など、制作現場の実態と裏側は急速に近代化されました。法令遵守のコストを吸収できる大手メーカーへの寡占が進む一方、グレーゾーンで活動していた悪質業者が淘汰されたことは、産業としての透明性を大きく前進させています。