ビジネスパーソンやIT技術者が「tin can」を検索する最大の動機が、教育テクノロジー規格の「Tin Can API」である。現在は公式に「xAPI(Experience API)」へ改称されているが、開発初期のコードネームが定着した結果、今なお「Tin Can」の通称で親しまれている。
これは、eラーニングの国際標準規格として長年使われてきた「SCORM(スコーム)」の限界を打ち破る次世代仕様として米国の標準化団体ADL(Advanced Distributed Learning)が策定したものだ。かつての糸電話(Tin Can Phone)のように「シンプルかつ自由な双方向通信」を実現する意図から命名された。
従来のSCORMとTin Can API(xAPI)の構造的な違いは、下表の通り明確である。
導入による主なメリットは、「学習体験の完全な可視化」にある。社内ポータルでの資料閲覧、モバイル端末でのオフライン学習、シミュレータでの操縦訓練など、あらゆる行動ログを「主語(Actor)+述語(Verb)+対象(Object)」のステートメント形式で集約できる。その結果、従業員の学習プロセスと実際の営業成績や業務パフォーマンスの相関関係を、極めて精緻に分析することが可能となった。