事故からの長い道のりにおいて、最大の支えとなったのが妻でフードスタイリストの大谷マキ氏です。2人の結婚は事故の前年である2010年秋のことでした。新婚生活が始まって間もない時期に起きた悲劇に対し、大谷氏は取り乱すことなく、治療方針の選定から日々のリハビリ支援まで全力を注ぎ続けました。
入院中、ケンタロウ氏が少しでも刺激を受けられるよう、彼の好きな音楽を病室で流し、好物だった調味料の香りを嗅がせるなど、五感を通じたアプローチを粘り強く継続。自宅へ連れて帰る決断をした際には、車椅子でも生活しやすいように住居の大幅なリノベーションを行いました。
週に数回の訪問リハビリや言語聴覚士によるトレーニングを重ねる中で、一時は「スプーンを持つことも難しい」とされた状態から、介助を受けながら自力で食事を口に運ぶ動作を見せるなど、確かな回復の兆しが報告されています。メディアの過度な取材を避け、静かな環境で夫を守り抜く大谷氏の姿勢には、医療従事者や福祉関係者からも称賛の声が上がっています。