スマートフォンやノートパソコン、ワイヤレスイヤホンに至るまで、現代のポータブル機器の心臓部にはリチウムイオンバッテリーが採用されています。高エネルギー密度と軽量性を誇る一方で、経年劣化や過度な負荷によって内部電解液が酸化・分解し、ガスが発生する性質を持っています。
バッテリー内部では、正極と負極の間をリチウムイオンが行き来することで充放電を繰り返しています。しかし、「充電サイクル数の増加」「満充電状態での長時間の放置(過充電)」「充電残量0%での放置(過放電)」、さらには「充電しながらの重い負荷(ゲームプレイや動画視聴による発熱)」が重なると、電解質が分解されて水素や一酸化炭素、炭酸ガスなどの気体が発生します。
密閉されたバッテリーセル内にガスが充満すると、外装アルミラミネートパックが風船のように膨らみます。これがバッテリー膨張の直接的な原因です。膨張が始まったバッテリーは内部構造の健全性が失われており、すでにバッテリーの寿命サインを明確に超えている状態と判断できます。