黒木瞳が史上最速で月組トップ娘役に選ばれた最大の要因は、当時すでに圧倒的なカリスマ性を放っていたトップスター・大地真央からの直接指名でした。
当時、月組の次期トップ就任が決まっていた大地真央は、従来の「男役に寄り添う控えめな娘役像」ではなく、自らと対等に渡り合える現代的で瑞々しい感性を持ったパートナーを求めていました。そこで白羽の矢が立ったのが、まだ下級生だった黒木瞳でした。
舞台の端で踊っていた黒木瞳の放つ華やかなオーラと芯の強さを大地真央は見抜き、「私の相手役はこの子しかいない」と劇団上層部に直談判したと伝えられています。1982年、大地真央のトップお披露目公演となった『情熱のバルセロナ』において、黒木瞳は異例の速さで相手役としてトップコンビを組むこととなりました。
この黒木瞳・大地真央コンビの誕生は、宝塚の舞台にスタイリッシュかつファッショナブルな新風を吹き込み、女性ファンのみならず幅広い層を熱狂させる社会現象へと発展していきました。