どれほど上質な具材を揃えても、調味料の配合と手順を誤れば味の輪郭は定まりません。ガッテン流の豚汁を成功させるもうひとつの肝が、出汁の黄金比と味噌を2回に分けて入れる順番です。
ベースとなる水分量は、水または和風出汁800mlに対して味噌大さじ4(約70g)が失敗しない基準値となります。ここで決定的な差を生むのが、味噌の全量を最初や最後に一度に入れてしまわないことです。
まず、野菜を煮始める段階で味噌の半量をスープに溶かし入れます。浸透圧の働きを利用して根菜の内側までじんわりと下味を染み込ませ、野菜特有の青臭さを消し去るためです。そして、野菜が柔らかくなり豚肉に火が通った火を止める直前に、残りの半量を溶き入れます。味噌の芳醇な香り成分は熱に弱く、長時間煮沸すると容易に揮発してしまうため、仕上げの「追い味噌」によって立ち上る豊かな風味を閉じ込めるのです。