稲毛浅間神社の歴史と由来を紐解くと、千有余年の長きにわたり紡がれてきた富士山信仰の歴史に行き着きます。富士山頂に鎮まる神霊を勧請したことに始まり、源頼朝が神領を寄進した歴史や、千葉氏による社殿再建など、武家からも崇敬を集めてきました。境内を歩くと、海風を遮るように生い茂る松や楠の古木が神域の結界を形作り、都市部にありながら静謐な霊気が満ちています。
主祭神として祀られているのは、日本神話で最も美しい女神と称される木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)です。加えて、導きの神である猿田彦命(さるたひこのみこと)、山を司る瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の父神にあたる大山祇命(おおやまづみのみこと)が配祀されています。
木花咲耶姫命は、猛火の中で無事に皇子を出産した神話から、安産・子宝・子育ての守護神として名高く、同時に火難除け・災厄除けの強いご神徳を持つとされています。清らかな母性と強靭な生命力を象徴する神を祀るからこそ、人生の節目に訪れたい聖地として人々の心に刻まれてきました。