インターネット上の検索窓に彼の名前を打ち込むと、時折浮上するのが「要潤 仮面ライダー 黒歴史」という不穏な関連ワードです。しかし、当時の一次資料や本人のインタビュー発言を精査すると、この噂は実態と正反対の完全なデマであることが分かります。
噂が一人歩きした背景には、2000年代半ばから2010年代にかけての芸能界特有の風潮がありました。当時は「特撮ヒーロー番組=若手イケメン俳優の登竜門」という認知が急速に定着した時期であり、一部の事務所がブランディングの過程で過去の出演歴を大々的にアピールしなくなるケースが散見されたため、ネットユーザーの間で「売れっ子になった俳優は特撮時代を隠したがるのではないか」という穿った憶測が生まれやすかったのです。
しかし、要潤自身は過去の特撮出演を隠すどころか、バラエティ番組や記念特番、自身のSNSなどで折に触れて『仮面ライダーアギト』への深い敬意と感謝を発信し続けています。2021年の番組放送20周年の節目をはじめ、折に触れて「僕の俳優としての基盤はすべてあの現場で作られた」「氷川誠を演じられたことは人生の宝」と公言しています。
特にファンを熱狂させたのが、主演の津上翔一(アギト)を演じた賀集利樹との変わらぬ絆です。同世代の新人として同じ釜の飯を食い、怒号の飛び交う現場で共に悔し涙を流した戦友同士、プライベートでの食事会やSNS上でのフランクなやり取りが公開されるたび、ファンの間では「これのどこが黒歴史なのか」と歓喜の声が上がっています。彼にとってアギトは、隠すべき過去ではなく、誇るべき「原点」そのものです。