自らの生命の危機を顧みず人命救助に尽力した彼女の行動に対し、日本政府は異例の速さで国家的な栄典の授与を決定しました。事故からわずか3日後の2013年10月4日、閣議において紅綬褒章の授与が決定され、当時の安倍晋三内閣総理大臣から遺族へ銀杯が贈呈されました。紅綬褒章は「自己の危難を顧みず人命の救助に尽力した者」に贈られる極めて栄誉ある章であり、戦後を通じて民間人女性への追贈例は極めて稀な出来事でした。
公の機関からの表彰はそれだけにとどまりません。神奈川県警察本部や緑警察署からの感謝状贈呈に加え、警察庁長官名の顕彰も行われました。彼女の行動は全国紙の一面やテレビの報道特別番組で大々的に報じられ、日本国内のみならず台湾や英米の主要メディアでも「自己犠牲による崇高な人命救助」として取り上げられました。
当時のネットの反応を見ても、大手ポータルサイトのコメント欄や掲示板、SNS上には「胸が締め付けられるほどの勇気」「誰にでも真似できることではない」といった哀悼と敬意を表する言葉が数万件規模で寄せられました。一方で、見ず知らずの他人を救うために前途ある40歳の女性が命を散らしたという厳然たる結末に対し、「あまりにも残酷な代償」「助かってほしかった」という深い喪失感と悔嘆の声が渦巻いたのも事実です。