職場や私生活で生じる意見の対立は、性格の不一致ではなく「立っている抽象度のレベルの不一致」によって引き起こされます。本書が提示する最大の武器は、まさにこのコミュニケーションギャップ 解決の視座です。
本書で示される具体化 抽象化 ピラミッドの概念を頭に入れておくと、議論の噛み合わなさを瞬時に見破ることができます。ピラミッドの上層にいる人(抽象度が高い人)は全体像やコンセプトを語り、下層にいる人(具体度が高い人)は個別事例や実行手順に目が行きます。上層の人間からは下層の全体像が見えますが、下層からは上層が見えにくいため、必然的に「言った・言わない」「指示の意味が分からない」というすれ違いが発生するのです。
このメカニズムを理解していれば、相手の理解度に合わせて「いまどの階層の話をしているか」をすり合わせる配慮が自然とできるようになり、無用な衝突を未然に防ぐことが可能になります。