店舗激減の裏側で決定打となったのが、週刊誌報道や法廷闘争へと発展したフランチャイズ加盟店との泥沼の対立でした。乃が美の拡大を支えたのは「乃が美 はなれ」を展開した全国の熱心なFCオーナーたちでしたが、その信頼関係は急速に崩壊へ向かいました。
報道各社の取材データや元オーナーらの証言によると、対立の核心にあったのは「高額なロイヤリティ負担」と「本部からの仕入れ縛り」です。売上が半減しても毎月固定で発生するロイヤリティや本部指定の原材料費が重くのしかかり、赤字を垂れ流す加盟店が続出しました。「売れば売るほど赤字が膨らむ」と悲鳴を上げた複数のオーナーたちが「有志の会」を結成し、ロイヤリティの引き下げや契約条件の見直しを本部に要求する事態へと発展したのです。
さらに火に油を注いだのが、創業家と外部招聘の経営陣・出資ファンドとの対立でした。ブランドの生みの親である創業者・阪上雄司氏の退任と経営権をめぐる内紛、それに伴う経営方針の迷走は、現場のフランチャイズ店に深刻な不信感を与えました。創業者が築いた現場主義と、計数管理を最優先する新体制との軋轢は組織を分断し、最終的にはFC加盟店の集団離脱や損害賠償訴訟、そして全国的な一斉閉店という最悪のシナリオを引き起こしたのです。