ネット上の掲示板やSNSでは、ピアサポートに対して「専門知識のない素人が口を出して責任を取れるのか」「傷の舐め合いをして症状を悪化させているだけではないか」といった懐疑的な声が散見されます。しかし、これらの言説は現場の実態を反映していません。
都内の精神保健福祉センターで活動する精神科医は次のように証言します。「診察室では『体調は問題ありません』と優等生のように答えていた患者が、ピアスタッフの前では『本当は薬を飲むのが怖くてたまらない』と号泣することがある。専門職の前で身構えてしまう当事者が、同じ痛みを通過した仲間に対してだけ見せる本音がある。ピアサポーターは医療の代替ではなく、医療と当事者を結ぶ決定的な架け橋である」。
現代のピアサポートは、無秩序な愚痴の言い合いではなく、「批判しない」「秘密を守る」「個人の体験を一般化しない」といった厳格なグラウンドルールのもとでファシリテートされています。自らの体験を主観的な武勇伝として語るのではなく、相手の感情を引き出すための触媒として扱う訓練を経ているからこそ、プロの現場で高い信頼を獲得しているのです。