大阪薫英女学院を語る上で避けて通れないのが、高校女子スポーツ界における圧倒的なプレゼンスです。特に大阪薫英女学院バスケ部は、ウインターカップ(全国高校バスケットボール選手権大会)やインターハイで優勝・準優勝を何度も経験し、数多くの日本代表選手やWリーグ選手を輩出し続けています。
チームを長年率いる指導陣が掲げるのは、徹底した「ディフェンスからのファストブレイク」と規律あるチームマネジメントです。全国からトップクラスの有力中学生がスカウトや推薦で集まり、専用体育館での高強度なトレーニングを日々重ねています。OGの一人は「練習の厳しさは想像を絶するものでしたが、妥協を許さない集団行動の中で身についた礼儀作法とメンタルのタフさは、社会人になった今でも人生最大の財産になっている」と述懐します。
同様に、大阪薫英女学院陸上部(駅伝)も全国高校駅伝の常連校として全国にその名を轟かせています。タフなロードレースに耐えうるフィジカル育成と、1秒を削り出すチーム結束力は駅伝界でも高く評価されてきました。
しかし、外から見えにくい「光と影」も存在します。スポーツ推薦で入学したトップアスリートたちは基本的に専用のクラス編成やスケジュールで動いており、一般進学コースや国際コースの生徒とは学校生活の導線が分かれています。校内取材や在校生の声を総合すると、「体育祭などの学校行事では強豪部の迫力ある姿を間近で応援できる誇らしさがある一方、日常の学習空間ではほとんど別世界として共存している」というのが偽らざる現場の実態です。部活動特待生としての入学を目指すのか、それ以外の教育的価値を求めて入学するのかによって、学校生活の景色は180度異なってきます。