林泰文の表現者としての原点は、昭和の少年時代にまでさかのぼります。幼少期から子役として活動を開始し、数々の作品で早熟な才能を披露していました。
彼の名を日本映画史に決定づけたのが、1985年に公開された大林宣彦監督の名作映画『さびしんぼう』です。尾道三部作の完結編として名高い本作において、林泰文は主人公の高校生・井上ヒロキ役をオーディションで射止めました。ノスタルジックな風景の中で富田靖子演じるヒロインに淡い恋心を寄せる少年の純朴さと切なさを瑞々しく体現し、第9回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。一躍、全国区の注目を集める天才子役となりました。
子役出身者の多くが成長期にぶつかる「イメージの固定化」や「学業との両立の難しさ」という壁に対し、彼は大学進学を選択し、着実に人間としての土台を構築しました。現在は名門・フロム・ファーストプロダクションに所属し、名バイプレイヤーとして盤石のキャリアを築き上げています。