怪しい電話番号を巡っては、インターネット上で事実とは異なる俗説が流布しており、それがかえって被害を拡大させる要因になっています。
代表的な誤解が、「電話に出るだけで通話料金を詐取される」「出た瞬間にスマートフォンがハッキングされる」という説です。通常の着信において、電話を受けた側に通話料が発生することは日本の国内通話規格上ありません(海外ローミング滞在中を除く)。また、単なる音声通話で端末を不正操作されることも技術的に考えにくい仕様です。
しかし、真の脅威は技術的なハッキングではなく心理的なソーシャルエンジニアリングにあります。電話に出てしまう最大のリスクは以下の2点に集約されます。
- 「アクティブ回線(利用者が確実に受話する番号)」としての確定:呼び出し音を放置する番号よりも、受話器を取る番号のほうが名簿としての取引単価が跳ね上がります。その結果、翌日以降に別の詐欺グループからの架電が数倍に激増します。
- 声のトーンや環境音の収集:高齢者特有の口調、あるいは背後の生活音(子どもの声、テレビの音など)から世帯構成を瞬時に特定され、それに最適化された詐欺シナリオが組まれる点です。