一部のWEBメディアやSNSまとめ記事では、「店舗減少=ブランド衰退・撤退間近」という極端な言説が散見されます。しかし、アパレル・リテール業界の構造変化を丹念に追跡すると、この見立てが誤解であることがはっきりと分かります。
第一の盲点は、パルグループが推し進める「オムニチャネル推進戦略」の実態です。パルは自社公式アプリおよびECプラットフォーム「PAL CLOSET」において業界トップクラスのデジタル売上比率を誇っています。サリュにおいても実店舗は「ブランドの世界観を五感で体験し、サイズ感を確認するショールーム」として位置付けられ、実際の大型家具やセット購入はアプリ経由で自宅へ届ける仕組みが高度に構築されました。店舗数が半減しても、ブランド全体の取扱高は強固に維持されているのです。
第二に、サリュ新店舗オープン2026の動向に見られる「スクラップ・アンド・ビルド」の推進です。かつての駅ナカ・駅ビル型の極小店を順次クローズする一方で、十分な売り場面積を確保できる広域型商業施設への出店余地は依然として残されています。「見かけなくなった」というのは都市型通勤動線上からの後退を意味しているに過ぎず、ブランド自体はより持続可能な出店モデルへと成熟したと捉えるのが正確な事実です。