かつては地域のコミュニティスペースだった銭湯に、いまや20代や30代の若者、さらには海外からの観光客が殺到している。その火付け役となったのがメディアの存在だ。とりわけ人気長寿番組『出没!アド街ック天国(武蔵小山温泉特集)』で街の象徴として大々的に取り上げられたインパクトは絶大だった。
放送後、「TVer」による見逃し配信で番組が全国的に拡散され、さらにサウナ愛好家や温泉専門のクリエイターたちが「YouTube」に体験動画を次々と投稿。黒湯の水風呂と外気浴のクオリティの高さがSNS上で可視化されたことで、「わざわざ電車に乗って訪れるべき目的地」としての地位を不動のものにした。レトロとモダンが共存する独特の空間美は、画面越しでも圧倒的な説得力を放っている。