地域密着型の実学拠点として知られた広島工業大学専門学校の評判は、在学生や求人企業から一貫して「即戦力を育てる実践校」として高く評価されていました。少人数制の手厚い指導体制や製図室などの充実した設備環境は、一般的な工科系専門学校の水準を大きく上回るものでした。それにもかかわらず、学校法人鶴学園が学生募集停止の決定を下した背景には、マクロな人口動態と進学トレンドの劇的な変化が存在します。
文部科学省の学校基本調査や報道資料が示す通り、中国地方においても18歳人口の減少カーブは年々鋭角化しています。これに加え、いわゆる「大学全入時代」の到来によって、高校生や保護者の進路選択が四年制大学へと急速に傾斜しました。鶴学園の理事会運営に詳しい関係者は当時の状況を次のように語ります。
「専門学校単体として就職率や教育成果に問題があったわけでは決してありません。しかし、限られた教育資源を広島工業大学や付属中高(広島なぎさ)へ戦略的に集中させ、ブランド全体の持続可能性を高める決断が下されました」
在学していた最終学年の学生たちが無事に修了課程を終えた後、学校としての教育機能はその役目を終えました。2026年現在の状況として、校舎での新規開講は行われておらず、卒業生への証明書発行や学籍管理業務は学校法人鶴学園の法人本部・広島工業大学事務局へ完全移管されています。