『太陽を抱く月』の最大の引力は、運命に翻弄される魅力的なキャラクターたちと、王宮内のドロドロとした権力闘争が交錯する緻密なストーリーテリングにあります。まずは物語の骨格を成す主要キャストの相関関係と、物語の根底にある設定を整理します。
物語の中心となるのは、太陽の運命を背負って生まれた世子(後の朝鮮王)イ・フォンと、彼と魂で結ばれた弘文館大提学の娘ホ・ヨヌ(後の巫女ウォル)です。2人は幼少期に運命的な恋に落ち、ヨヌは世子嬪(王太子妃)に選ばれます。しかし、外戚勢力の台頭を狙う大妃ユン氏と領議政ユン・デヒョンらの黒い陰謀により、ヨヌは呪術によって原因不明の重病を発症し、非業の死を遂げたとして宮廷から葬り去られます。
死んだはずのヨヌは、優れた霊力を持つ星宿庁の巫女チャン・ノギョンに命を救われていたものの、全ての記憶を失っていました。数年後、冷徹で孤独な若き王へと成長したキム・スヒョン演じるフォンと、記憶を失い巫女「ウォル(月)」として生きるハン・ガイン演じるヨヌは、深い霧の森の中で奇跡の再会を果たします。
そこに絡むのが、フォンの異母兄でありながら庶子ゆえに王座も愛も手に入れられない悲運の王子、ヤンミョン君(陽明君)です。チョン・イルが演じるヤンミョン君は、かつて心から愛したヨヌの面影をウォルの中に見出し、フォンへの忠誠と彼女への狂おしい思慕の間で激しく葛藤します。太陽は1つしか存在できないという天の理のもと、2つの太陽(フォンとヤンミョン君)と、2つの月(ヨヌとユン・ボギョン)が織りなす切ない愛憎劇が宮中を揺るがしていきます。