『エンタの神様』の収録現場は、常に張りつめた独特の緊張感に包まれていた。ステージに立つ芸人たちは、一発勝負の数分間に己のタレント生命を懸けて臨んでいたからだ。そんな緊迫した空気の中で、司会陣は演者が最も力を発揮できる環境作りに細心の注意を払っていた。
語り継がれる裏話として、ネタが終わって画面が切り替わる一瞬の出来事がある。観客の爆笑が渦巻く中、カメラが回っていないわずかな隙間に、福澤と白石はステージ袖へ戻る芸人に向かって「最高でしたよ」「キレがありましたね」と小声で声をかけ、健闘を称えていたという。画面には映らないこうした細やかな配慮が演者との深い信頼を生み、番組全体の熱量を底上げする原動力となっていた。