原作者・藤本タツキが描く緻密で容赦のない世界観において、早川アキは一見すると最も常識的でクールなプロフェッショナルとして登場する。公安対魔特異4課に所属し、家族を殺した銃の悪魔への復讐だけを生きる糧としていた彼の日常は、あまりにもストイックだった。しかし、破天荒なデンジや身勝手なパワーと同居を命じられたことで、彼の冷徹な仮面は少しずつ剥がされていく。
毎朝の朝食作り、掃除、そして問題行動ばかり起こす2人の後始末。殺伐としたデビルハンターの日常に紛れ込んだ穏やかな生活習慣は、アキの中に眠っていた人間味を呼び覚ました。復讐という暗い執着と、新しく芽生えた守るべき家族への愛情。この二律背反する感情の揺れ動きこそが、アキという人物を単なる記号的なキャラクターから、血の通った悲劇のヒーローへと昇華させたのだ。