圧倒的な存在感で物語を牽引したのが、主演の満島ひかりと佐藤健のふたりだ。演技派として知られる二人の掛け合いは、台本に書かれた台詞以上の感情の波を生み出していた。
満島ひかりが演じる也英の眼差しには、人生の苦難を背負いながらも気品を失わない強さと儚さが共存する。一方、佐藤健が演じる晴道の不器用ながらも真っ直ぐな愛の注ぎ方は、視聴者の胸を強く打った。二人が現場で見せた集中力は凄まじく、カメラが回っていない時間であっても、互いに役柄の距離感を維持し続けていたという。
撮影中のエピソードとして興味深いのは、即興に近い呼吸のやり取りだ。タクシーの車内やコインランドリーのシーンで見せた自然体な笑顔や言葉の溜めは、二人の深い信頼関係があったからこそ生まれた名場面と言える。