外見のしなやかさだけでなく、体内環境にも肉食獣としての特化が見られます。ここでは猫の内臓の働きと位置、そして代謝システムの特徴を整理します。
猫の消化管は体長に対して非常に短く、草食動物や雑食動物のように植物性繊維を発酵・分解する構造を持っていません。高タンパク・高脂肪の獲物を素早く消化・吸収することに特化しています。また、砂漠地帯を生息域としていたリビアヤマネコを祖先に持つため、腎臓で尿を高度に濃縮し、少ない水分で生命を維持する能力を獲得しました。しかし、この濃縮機能の高さゆえに、現代の家猫では腎臓への負担が蓄積しやすく、慢性腎臓病が代表的な健康課題となっています。
体温維持に関しても、人間とは根本的な違いがあります。猫の体温調節と汗腺の仕組みを見ると、人間のように全身にエクリン汗腺(体温調節用の汗を出す汗腺)を持たず、汗をかける部位は肉球の周囲などに限られています。そのため、体温が上昇した際は、毛づくろいをして唾液を体に塗り、その気化熱で体温を下げる行動を取ります。体温調節の手段が限られているため、高温多湿な環境下では熱中症になりやすいという構造的な弱点が存在します。
これら全身のシステムを整理した猫の体の仕組み図解まとめとして捉えると、骨格の柔軟性、瞬発力を重視した筋肉、高感度センサー群、そして効率的な肉食消化器官が一体となって「猫」という完成された生体を形作っていることがわかります。