紅生姜といえば初夏に出回る瑞々しい新生姜が定番ですが、通年流通しているひね生姜と根生姜での作り方をマスターすれば、いつでも好みの辛さで仕込むことができます。
ひね生姜(古根生姜)は水分が少なく繊維質が強いため、辛味成分であるショウガオールが凝縮されています。そのまま漬けると非常に辛く固い仕上がりになるため、下処理に一手間加えるのが鉄則です。皮をやや厚めに剥き、極薄切りにした後、沸騰した湯で30秒〜1分ほどサッと湯通し(ブランチング)します。これにより辛味の角が取れ、漬け汁の染み込みが劇的に向上します。
また、初心者が混同しやすいのが「紅生姜」と「ガリ(生姜の甘酢漬け)」の違いです。食酢とみりんで作る甘酢漬けとの違いは、糖度と酸味の設計思想にあります。寿司に添えるガリは砂糖やみりんをたっぷり使い甘酸っぱく仕上げるのに対し、紅生姜はあくまで塩分と酢酸・クエン酸のキレで生姜本来の辛味を引き立てる保存食です。牛丼や揚げ物の油分をすっきりとリセットする役割を求めるならば、みりんや砂糖を極力抑えた伝統製法の紅生姜こそが真価を発揮します。