結論から申し上げますと、興和株式会社が製造販売を手掛けるイソバイドシロップ70%は販売中止(承認取り消しや廃盤)にはなっていません。それにもかかわらず、なぜ患者や医療関係者の間で「販売中止」という誤った情報が拡散してしまったのでしょうか。
その発端は、2021年以降に国内のジェネリック医薬品(後発医薬品)メーカーで相次いだ品質不正問題と行政処分にあります。一部の後発品メーカーが製造停止や自主回収に追い込まれた結果、同一成分であるイソソルビド ジェネリックの供給がストップしました。その不足分を補うために、先発医薬品である興和創薬 イソバイドへ医療機関からの注文が急激に殺到したのです。
突発的な需要急増に対し、製造ラインのキャパシティを超えたことで、メーカー側は特定の取引先への偏りを防ぐための「限定出荷(出荷調整)」を実施せざるを得なくなりました。薬局の棚から一時的に姿を消し、調剤窓口で「今イソバイドが入ってこないんです」と説明された患者が、「販売中止になった」と誤認してSNSや知恵袋などで発信したことが、噂が拡大した構造的背景です。