ラテンバーという業態に対して、「ナンパ目的の人が多いのではないか」「ダンスが踊れないと居場所がないのではないか」という先入観を抱く人は少なくありません。しかし、現場の実態を取材すると、そうしたイメージは大きな誤解であることが分かります。
エルコヨーテに集う人々の中心にあるのは、「音楽とダンスを純粋に楽しむ」というカルチャーリスペクトです。パートナーチェンジを繰り返しながら踊るソーシャルダンスの世界では、相手への配慮やマナーが極めて重んじられており、強引なアプローチや迷惑行為に対してはスタッフやコミュニティ全体が厳格に対処しています。
また、バーカウンターでタコスやナチョスをつまみながら、リズムに身を揺らしてカクテルを傾けるだけの「見学スタイル」も完全に受け入れられています。踊ることを強要される文化は一切なく、各自が心地よい距離感で空間を楽しめる点が、一般的なクラブと一線を画す部分です。