新大久保のライブエンターテインメントは、単なる一過性のブームを超え、高度にシステム化された常設興行へと進化を遂げています。公式発表資料や現場の運行スケジュールを分析すると、現在新大久保を拠点に定期公演を行うグループは常時10組以上にのぼり、その多くは数週間から数カ月単位でビザを取得して来日し、日本と韓国を往復しながら活動を継続しています。
活動の中核を担うのが、エリア内に点在する専用劇場です。大久保通り沿いの象徴的拠点であるSHOWBOX(ショーボックス)や、200席と100席のホールを擁するK-Stage O!などでは、連日のように1日2〜3回にわたる濃密なライブステージが展開されています。これらの劇場は一般的なアリーナコンサートとは根本的に異なり、ステージと最前列の距離がわずか1〜2メートルという圧倒的な近接性が最大の特徴です。
新規観客の獲得ルートとして確立されているのが、メンバー自らが街頭頭に立つ新大久保アイドルチラシ配り(路上PR)です。大久保通りや職安通り周辺で、メンバー自身が通行人に声をかけ、初回無料鑑賞券や優待クーポンを手渡します。現場の観察取材によると、単に紙を配るだけでなく、「どこから来たんですか?」「韓国料理は好きですか?」といった数十秒の会話を交わすことで、通行人を一瞬にして「認知されたファン」へと引き込む緻密な導入動線が設計されています。本国のK-POP界では手の届かない存在であるアイドルが、目の前で直接語りかけてくるという特別感が、多くのリピーターを生み出す原動力となっています。