ヨーロッパ原産の外来種であるヒメリュウキンカ(Ficaria verna)は、キンポウゲ科(Ranunculaceae)に属する多年草だ。日本国内でもグラウンドカバーや鉢植えとして広く親しまれているが、植物毒性学(Phytotoxicology)の観点からは典型的な有毒植物(Poisonous plant)に分類される。
危険性の根源にあるのは、細胞が傷ついた瞬間に生成される「プロトアネモニン(Protoanemonin)」という揮発性の刺激性精油成分だ。植物体内では無害な配糖体「ラヌンクリン」として保持されているが、茎を折ったり葉をちぎったりして組織が破壊されると、酵素の働きで瞬時にプロトアネモニンへと変化する。乾燥させると毒性の低いアネモニン(Anemonin)へと重合するものの、生きた生株を扱う際の刺激性は極めて強い。