この爆発的なうねりの発火点はどこにあったのか。真相を辿ると、特定の楽曲のブレイクだけでなく、複数のサブカルチャーが地下茎のように交差した地点に行き当たる。
発端の一つは、ベッドルームで気だるそうにリズムを取る海外クリエイターの何気ない投稿だった。派手な照明も凝った編集もない。ただ日常着のまま、ベースラインに合わせて首と肩を左右に揺らすだけの10秒足らずの断片。それがアルゴリズムの波に乗り、アジア圏のカルチャーと結合した瞬間、現象としての爆発が起きた。
日本国内で火がついた背景には、完璧に作り込まれたコンテンツへの飽和感がある。かつての「踊ってみた」動画が高度化しすぎた反動として、誰でもパジャマのまま参加できる余白、いわば「失敗しようがない敷居の低さ」が熱狂的な拡散の免罪符となった。