大手レビューサイト(読書メーター、ブクログ、Amazonレビュー等)において、本作に寄せられる感想の多くは「読むのに精神力を削られる」「途中で本を投げ出したくなるほど胸糞が悪いのに、最後まで読まずにいられない」という悲鳴に近い賛辞です。
読者がこれほどのストレスを感じる理由は、主人公・和幸の優柔不断さと、倉持修の異常な人心掌握術のリアルさにあります。人間が詐欺や洗脳に陥る過程が、昭和から平成にかけての実在の詐欺手口(ペーパー商法、豊田商事事件を彷彿とさせる貴金属投資、マルチまがい商法)をトレースしながら詳細に描写されているため、フィクションでありながら生々しい実感を伴って迫ってきます。
また、ネット上では「殺人の門 ドラマ キャスト」という検索ワードが常に一定数存在します。これは『白夜行』や『幻夜』が豪華キャストでドラマ化され大成功を収めたことから、「なぜ『殺人の門』は映像化されないのか」「もし実写化するならキャストは誰か」というファンの議論が定期的に盛り上がるためです。
しかし、出版関係者や業界筋の分析によると、本作の実写化には極めて高いハードルが存在します。物語の大部分が主人公の惨めな転落と陰湿な詐欺、家庭崩壊の描写で占められており、民放ドラマや劇場映画として成立させるには「救いがなさすぎる」点が最大の要因とされています。SNS上では「田島和幸役には気弱さと狂気を演じ分けられる実力派俳優、倉持修役には人当たりの良さと底知れぬ邪悪さを併せ持つ怪優が不可欠」と、仮想キャスティング論争が今なお活発に交わされています。