あのおかっぱ頭は、最初から周到に計算されたセルフプロデュースだったのか。答えはノーだ。むしろ、思いがけない偶然や若気の至り、切羽詰まった状況から生まれたケースが少なくない。
日村勇紀が現在のスタイルに定着した背景には、若手時代の試行錯誤があった。当初はパーマをかけたり長髪にしたりと模索を続けていたが、ある日ふと髪を短く切り揃えたところ、周囲の芸人やスタッフから「顔のパーツの面白さが際立つ」と大爆笑をさらった。それが運命の決定打となる。本人が意図した以上の破壊力を髪型が引き出した瞬間だった。
蛍原徹のおかっぱもまた、徹底したこだわりから生まれた。かつてヤンキー風の髪型をしていた彼が、ある時期を境にマッシュルームカットへとシフト。定期的にミリ単位でメンテナンスを施し、キューティクルを美しく保つプロ意識は業界内でも語り草だ。偶然の産物が、いつしか誰も真似できない唯一無二の「看板」へと昇華していった歴史がそこにある。