羽原大介という劇作家の原点を振り返れば、この過剰なまでのエネルギーには合点がいく。映画史に名を刻む傑作『パッチギ!』では、1960年代の京都を舞台に在日朝鮮人の高校生と日本の少年たちの衝突と融和を、暴力とユーモアを交えて生々しく描き出した。また『フラガール』では、斜陽の炭鉱町で生きる女性たちが自らの力で未来を切り拓く姿を、汗と涙のリアリズムでスクリーンに焼き付けた。
共通しているのは、登場人物たちが常に生活の苦境や理不尽な現実に直面し、泥にまみれながら叫んでいる点だ。彼らはスマートに生きられない。綺麗事では済まない人生の生々しさを劇空間に立ち上げる力こそ、羽原の真骨頂である。朝ドラという枠組みに収まりきらないその濃厚な作家性が、独特の摩擦熱を生み出していた。