島根県の中核都市の一つである出雲市。神話のふるさととして全国的な知名度を誇る一方で、地方都市が共通して抱える人口構造の変化や商店街の世代交代といった課題にも直面している。メガプラットフォームによる広域広告が地方の隅々まで届くようになった現代、逆説的にも「すぐ隣のパン屋の焼き立て時間」や「近所の工務店が始めたリノベーション相談会」といった微細な一次情報が埋もれてしまう現象が起きていた。
そこで効力を発揮しているのが、徹底した地域密着型マーケティングの手法だ。全国で地域情報プラットフォーム「まいぷれ」を展開する株式会社フューチャーリンクネットワークが培ってきた仕組みは、中央集権型の画一的なメディアとは根本から異なる。代表取締役の石井丈晴氏が掲げてきた「地域に存在する価値ある情報を流通させ、持続可能な社会を築く」という思想が、ここ出雲の現場でも実直に体現されている。
地元の事業者が自らの言葉で情報を発信し、それを地域住民が直接受け取る。中抜きのない血の通った情報循環が、希薄になりかけていた住民同士、あるいは店舗と顧客のエンゲージメントを劇的に再構築しつつある。