こうした状況を背景に、プロ野球やメジャーリーグで定着したリクエスト制度(ビデオ判定)や、トラッキング技術を活用した自動ボール・ストライク判定システム(ABS)を高校野球にも導入すべきだという議論が熱を帯びている。判定の正確性を担保し、審判員を理不尽な批判から守るためにはテクノロジーの活用が不可欠だという意見は根強い。
一方で、地方予選から全国大会まで膨大な試合数を誇るアマチュア野球において、高額な機材やインフラを公平に整備することは財政的・物理的に極めて困難だ。甲子園大会だけで導入すれば、地方大会との間に「判定格差」が生まれてしまう。高校野球が培ってきた「教育の一環」としての人間味や試合のテンポを損なうのではないかという懸念も根強く、技術導入を巡る議論は伝統と近代化の狭間で激しく揺れ動いている。