この脳科学の発見は、学術界の壁を越えて世界的なポップカルチャーへと飛び火した。Netflixをはじめとする動画配信プラットフォームで配信された人気サイエンス・ドキュメンタリー番組でも、キュート・アグレッションは「人間の愛すべき欠陥」として大々的に特集され、SNS上で大反響を呼んだ。
かつては「自分はどこか異常なのではないか」「なぜ愛するペットを見て暴力的な想像をしてしまうのか」と一人で人知れず罪悪感を抱えていた人々が、世界中にいた。しかし、メディアを通じて科学的根拠が共有されたことで、「あれは脳のオーバーヒートを防ぐ自然な反応だったのか」という安堵が地球規模で広がったのだ。
動画共有アプリに溢れる「可愛すぎて無理」「噛みたい」というミームの数々は、現代人が過剰な情報と刺激に囲まれる中で、脳が無意識にバランスを取ろうとするリアルタイムの証左でもある。