若者の間で「弥栄」という言葉が劇的な再評価を得た最大の契機は、エンターテインメント作品での鮮烈な演出にある。特に世界的な現象となった劇場版『鬼滅の刃』などのヒットアニメ作品において、登場人物が発する重厚なセリフや歴史的背景の緻密な描き込みが、視聴者に「言葉の持つ威厳」を再認識させた。
また、毎年お茶の間を魅了するNHK大河ドラマでも、武将や町衆が祝宴の席で「いやさか!」と声を張り上げるシーンが象徴的に描かれることが多い。単なる「乾杯」では表現しきれない歴史的リアリティと、登場人物たちの熱量が、視聴者の心に強く刻まれるのだ。映像作品における巧みな演出効果によって、若い世代は「古臭い言葉」としてではなく、「響きが格好いい、特別な言葉」として弥栄を受け止めている。