この「卵と鶏」が象徴する無限のループ構造は、現代のポップカルチャーや映像作品にも強い影響を与えている。クリストファー・ノーラン監督の映画『テネット』では、未来と過去の因果が反転し、どちらがトリガーなのか判別不能になる時間が描かれた。
また、Netflixで世界的なヒットを記録したタイムトラベルSFドラマなどでも、過去を変えた結果として現在が存在するのか、あるいは現在があるから過去が作られたのかという「卵と鶏」の構造が物語の核をなしている。観客を魅了するこれらの作品は、人類が古代から抱き続ける時間の因果性への興味が今なお色褪せていない証拠と言えるだろう。