日本のミュージックビデオ史における明確な転換点として、多くの人々が想起するのがSuchmos - STAY TUNEだ。都会の夜の空気感と絶妙な焦燥感をモノクローム混じりのクールな色彩で切り取った映像は、YouTubeを通じて爆発的に広がり、ストリートカルチャーとポップシーンを結びつける決定打となった。画角の切り替え、被写体との距離感、そして何より洗練された構図。映像が楽曲の存在価値を何倍にも跳ね上げる好例となった。
続いて音楽シーンを激震させたのが、King Gnu - 白日である。モノクロの極めて静謐な世界観の中で、楽曲の持つ切なさと激情が浮き彫りになる演出。一切の無駄を削ぎ落とした撮影スタジオでのワンカット風アプローチは、数多の視聴者の心を掴み、YouTubeでの再生回数は数億回を超えるメガヒットを記録した。音の余白と影の配置を緻密にコントロールする手腕は、この作品によって不動のものとなった。