着物の作画で挫折しないためには、いきなり細部のシワを描き込まず、シンプルな幾何学図形から徐々に服のディテールを足していく段階的アプローチが有効です。プロの作画フローに基づく4ステップの手順を紹介します。
ステップ1:素体(アタリ)と中心線の設計
まずは裸の素体、あるいは簡易的な円柱で人体のポーズを描きます。このとき、首の根元(鎖骨のくぼみ)、みぞおち、おへそを通る「体の中心線(正中線)」を必ず引いておきます。着物は布を体に巻き付ける構造のため、中心線がズレていると襟や帯の立体感が崩壊します。
ステップ2:襟と肩のラインを直線で配置
鎖骨のくぼみを目安に、首の左右から喉元に向かって斜めの直線を引き、「y」の字を作ります。肩幅のラインは洋服よりもやや広めかつ「なで肩」気味に設定すると、和服特有の落ち着いた風情が出やすくなります。
ステップ3:帯の立体ブロックと袖の配置
帯を胴体に巻き付く厚みのある円柱として描き込みます。帯枕による「お太鼓結び」やリボン状の「文庫結び」など、背面の結び目構造も意識しつつ、帯の上下に入るシワのアタリを取ります。続けて、肩口から袖口へ向かう直線と、下に垂れる袖の袋(たもと)を描き足します。
ステップ4:裾の落ち感と最低限のシワの追加
帯の下から足元へ向かって、裾がまっすぐ垂直またはわずかにすぼまる(タイトスカート状)ラインを引きます。最後に、帯の締め付けによって生じる「引っ張りシワ」と、肘の内側にたまる「たるみシワ」だけを厳選して描き込みます。