本作のクライマックスにして最大の謎であり、聴く者の心を最も強く揺さぶるのが、楽曲の終盤に訪れる出題パートです。
「次の空欄に当てはまる言葉を答えなさい」
「制限時間は あなたのこれからの人生」
「解答用紙は あなたのこれからの人生」
「答え合わせの 時に私はもういない」
「よーいはじめ」
ここで提示される問題には、具体的な設問文が存在しません。あえて「問い」そのものを空白のまま提示することによって、野田洋次郎は聴き手一人ひとりに対して「お前の人生において、解くべき問いは何なのか?」という実存的な問い返しを行っています。
「答え合わせの時に私はもういない」という一節には、教育者や親、そして歌い手であるRADWIMPS自身さえも、あなたの人生の最終責任を背負うことはできないという厳格なリアリズムが宿っています。しかしそれは冷酷な突き放しではありません。誰かの敷いたレールから完全に自由になり、自分自身の選択によって人生を彩る許可を与える、究極の慈愛とエールに他なりません。
そして最後に放たれる「よーいはじめ」の号令。それは学校という庇護された空間の終わりを告げる号砲であると同時に、あなただけの唯一無二の物語がスタートしたことを祝う、祝福のファンファーレなのです。