引越し作業の現場において、「水抜きを忘れてそのまま運ぼうとした」というトラブルは毎年後を絶ちません。大手引越業者各社の運搬規約や引越作業員の証言によると、水抜きが完了していない冷蔵庫は、最悪の場合当日の運搬を拒否される事例も存在します。水抜きを怠ることで生じる具体的なリスクは主に以下の3点です。
第1のリスクは、トラック荷台および他の家財の水濡れ被害です。冷蔵庫の冷却器周辺には大量の霜が付着しており、電源が切れて室温に戻ると一気に溶け出して水に変わります。本体を傾けてトラックへ積み込む際、内部に溜まった汚水が一気に溢れ出し、周囲に積まれた段ボールや寝具、精密機器を濡らしてしまう事故につながります。
第2のリスクは、新居や旧居のフローリング汚損・階下漏水です。冷蔵庫内の水にはホコリや雑菌、食品の微細な汚れが混ざっており、独特の悪臭を伴います。無垢材フローリングや畳に染み込むとシミやカビの原因となり、賃貸物件では退去時の原状回復費用が跳ね上がる要因にもなり得ます。
第3のリスクは、電気系統のショートによる冷蔵庫本体の故障です。内部の電子基板やモーター周辺に漏水が回り込むと、新居で電源を再投入した瞬間に漏電ブレーカーが作動したり、冷却機能そのものが破損したりする恐れがあります。