2008年3月、突如として開かれた緊急記者会見。カメラのフラッシュが激しく焚かれる中、松井秀喜氏が掲げたのは一振りのバットでも写真でもなく、自らがホワイトボードに描いた「妻の似顔絵」だった。この前代未聞の演出に記者席からは大きな歓声と笑いが巻き起こったが、そこには過熱する報道陣から愛する妻を守るという、深い計算と揺るぎない覚悟が隠されていた。
お相手は元会社員の一般女性。共通の知人を介した出会いから静かに愛を育み、ゴールインに至った。結婚当時、過熱するパパラッチ文化が吹き荒れるニューヨークにおいて、彼は妻の具体的なプロフィールや顔写真を一切公表しない選択をした。噂では「モデル風の美女」「元客室乗務員」といった根拠のない推測が飛び交ったが、実際の彼女は物静かで芯の強い人物であり、激しい戦いに挑むアスリートを陰で支える最高のリフレッシュ空間を提供し続けた。噂の裏側にあったのは、ゴシップの餌食にさせないという男の美学そのものだったのだ。